小学校でプログラミング教育が必須となりました。「なぜ今プログラミング教育がスタートするの?」「何を学習するの?」と思っている方向けに、小学校でのプログラミング教育の目的・学習内容に加えて、どんな能力が身につくのか、についてまとめました。
この記事の目次
小学校で始まるプログラミング学習は「プログラミング的思考」を身に着けるのが目的。「コーディング」(実際の英語でのプログラミング)は行わないのがポイント
「小学校でプログラミング教育がスタートする」と聞いて、「なにを学習するんだろう?」「なんのために始まるんだろう?」と思う方も多いと思うのですが、知っておきたいのが「小学校の教育現場で行われるプログラミング教育は”コーディング(実際に英語で書くプログラミング)”ではなく、プログラミング的思考を教えるものである」ということです。
どういうことかと言いますと、実際にエンジニアやプログラマーがコーディングやプログラミングとして書くのは、「英語」と「それぞれのプログラミング言語」の文法を使って、コンピューターに命令文を書いて、アプリケーションやシステムを構築していきます。
一方、小学校で行われるのは「プログラミング的思考」の教育と学習です。
文科省の「小学校プログラミンンぐ教育の手引き」によると、
「プログラミング的思考」は「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
文科省「小学校プログラミング教育の手引き」より
と書かれています。つまり、「何か目的を達成するために、どんな順番でどのような動きをしていけばより効率的に目的が達成できるのか」といった行動の組み立ての方法を学ぶことになります。
また、コンピュータの場合、具体的に指示しなければコンピュータ側が理解しないので「もし~であれば」といった一定の条件をつけて、「もし~であればAの行動をする、そうでなければB」といったように具体的に相手(この場合コンピュータ)に伝えて実行する力を身に着けていきます。
プログラミングで一番大切だと言われる「問題解決(problem solving)」の能力、そして、目的や正解にたどり着くまでに試行錯誤を繰り返しながら様々なアプローチやトライ&エラーを行う、といった考え方を学んでいきます。
プログラミングは全ての人に必要?プログラマーやエンジニアにならない人でも「プログラミング的思考」は役に立つ可能性が大きい
ここで疑問に思うのが「プログラミングは全ての人に必要?」ということです。
私もプログラミングを学習し続けています。実際にプログラミングをしていて思うのが、「全ての人にプログラミングは必要ではないかもしれないけど、”プログラミング的思考”は役に立つ可能性が大きい」ということです。
先ほども書いたように、プログラミングは、「ただ命令文を書いてコンピュータに何かを実行させるアプリケーションやシステムを作る」といった面よりも、「どうやって問題を解決するか」の「問題解決(problem solving)」の能力がとても大切です。
小学校でプログラミング的思考の基礎を学ぶことによって、将来プログラミングとは関係ない職業についたとしても、問題が起こった時に「どうやって解決していこう?」「どんな方法で、どの順番で行動すれば目標に近づけるだろう?」と考える力が身につくと思います。
また、どんな職業や環境においても、ITを使わない生活、というのは考えられない時代になってきたので、ITを上手に利用しながら生活や仕事をよりよくする答えを探してくことにつながるのではないかと思います。
まずは、子ども達が楽しく興味を持って学べる環境を作って、「どんなことができるのかな?」と楽しみになるようなプログラミング教育になるように願っています。