一般の個人向けに2020年3月からサービス開始する5Gが話題ですが、今すぐスマホを買い替えるべきかどうか迷っている方も多いと思います。
5Gとは一体どのような通信で何ができるのでしょうか。今まで使用してきた4Gとの違い、今すぐ5Gスマホに買い替えてて始めるべきかどうか、メリットとデメリット、これからの時代の活用方法について、初心者向けにわかりやすく詳しくまとめました。
この記事の目次
4Gと5Gの違いとは
スマホなど外でインターネットを使用する時、画面に必ず表示されている「4G」の文字。2010年頃からメジャーとなり、モバイルブロードバンドの移動通信システムとしての地位を確立してきました。
4Gを使って、文字を読んだり動画を見たり、メールやLINEなどSNSでの文字や画像・動画の送受信に使用している方も多いと思います。
2000年代の3Gでは携帯電話からネットを利用したり、静止画像(写メール)の送受信などが可能になりましたが、2010年代から主に使用されている4GではLTE(Long Term Evolution)という無線アクセス技術を使用して、動画など大容量のデータの送受信が可能となりました。
これからの2020年代に発展していく5Gでは、さらに大容量のデータが「低遅延」でリアルタイムに送受信可能になるので、個人だけではなく産業界への応用が進むと期待されています。
5GではNR(New Radio)と呼ばれる無線方式を使っており、速度も速く、最大で10Gbpsという通信速度が出ると言われています。
5Gを使って個人でどんなことができる?何に使う?
5Gでは大容量のデータを低遅延で送受信できますので、リアルタイムで容量の大きなデータを送受信したい場合に最大のメリットを発揮します。
個人でスマホ端末やゲーム端末を使用する場合はVR(仮想現実・Virtual Reality)を使用してゲームを行ったり、AR(各超現実)、オンラインゲームなどもリアルタイムで活用できますし、4Gの時よりも動画を送受信する機会が増えそうです。
4Gではテザリングなどで自宅で数台の端末を同時接続していた方も多いと思いますが、5Gでは自宅で約100個の端末やセンサーをネットに同時接続することが可能となります。
身の回りにあるあらゆる機器がネットに接続されている、というイメージです。
例えば、スマホなどのモバイル端末だけではなく、IoT(アイオーティー・Internet of Things)といって、物(機械)にインターネット機能を搭載して5Gの高速通信を活用することが考えられます。
5Gでは低遅延でリアルタイムの通信が期待できることから、カーナビのデータの正確性も高まりそうです。渋滞などのデータもほぼリアルタイムで反映されることになりそうです。
また、農業や畜産に従事している場合、ドローンを利用した農業(農薬散布・農作業管理システムの利用など)や給餌ロボットを使用するなど、自宅から5Gを活用して農業や畜産の作業を行うことができます。
さらに、ホームセキュリティ分野でも5Gの活用が期待されています。
5Gを使って産業界でどんなことができる?何に使う?
実は5Gは個人よりも産業界にメリットが大きいと言われています。
例えば、建築業界では、遠隔操作で土木作業を行う(クレーンやショベルカーを運転手なしの無人で動かす)、工場や倉庫などでものを運ぶ自動走行車を使う、など作業現場の人手を減らして、実際に作業現場へ行くことなく屋内からの遠隔作業を可能にします。
また、救急医療も変わると言われており、 遠隔地で手術ロボットを使って手術を行うことや、救急のヘリコプター内での手術も可能になりそうです。
日本では自然災害が多く、これまでリアルタイムでの正確な情報収集がなかなか実現しませんでしたが、5Gの利用によってAEDや薬をドローンで運ぶ、防犯カメラやイメージセンサーを増やして高画質の画像や動画で現状を把握する、救助要請をいち早く行う、など防災の現場が変わるともいわれています。
現在、公共交通機関(バス・電車など)がない地域では高齢者の方が移動手段に困っている地域がありますが、そういった地域でも自動運転タクシーの実現によって、暮らしが変わりそうです。
また高度道路交通システム(ITS)や交通システム制御(鉄道)など、高信頼性が必要で低遅延(ほぼリアルタイム)な情報システムが必要なIoTにも5Gが有効とされています。
買い物も、今のようにレジで会計する必要がなく、商品棚から商品を取り出すだけでスマホアプリに反映されて会計が終わるようになると言われています。アメリカではAmazon Goというスーパーで既に実現済みとなっています。
全てのシステムが全地域で使用可能になるまでには時間がかかるかもしれませんが、5Gを利用することで、確実に今の生活が変化しそうです。
個人で今すぐ5Gスマホ端末を購入すべき?いつからサービス開始する?
2020年2月17日のシャープの新作発表会で、5G(+8K)対応スマホとルーターの発売が発表されました。
具体的にはスマホ端末機種名「AQUOS R5G」、そして「5Gモバイルルーター」です。シャープは2021年までに発売する全てのスマホ端末を5G対応とします。
5G対応スマホ端末「AQUOS R5G」では高機能ToFカメラ(4つのレンズ・クワッドカメラシステム)が搭載されており8K動画を録画することが可能です。ディスプレイのサイズは6.5です。
さらに、高速回線の5Gを使用するので、データ容量が大きい8K動画のアップロードにも対応可能というのがメリットであり特徴です。
AIライブストリームで動画を自動編集してくれるので、簡単に動画を編集してアップすることができます。
Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSの他に、YouTubeなど動画サイトに動画をアップする方に特に向いていると思います。
スマホ端末の値段は10万円前後と高めなのですが、最新技術を利用したい場合は使ってみる価値ありだと思います。また、カメラが高機能なので、デジカメとの二重持ち歩きをせずに高画質の画像や動画を撮影できるのもメリットです。
また、「いつから5Gのサービスは開始する?」ということについてですが、ソフトバンクの広報は2020年3月末から5Gのサービスを開始すると言及しています。
5Gのメリットとデメリット
5G最大のメリットは先ほどもご紹介したように、通信速度が速く、大容量のデータを低遅延で送受信できる、ということです。
今すぐ5Gスマホ端末などを利用したり、仕事などに活用したい気持ちにかられますが、デメリットがあり、現時点で日本中全ての地域で5Gが使えるわけではないということです。
東京・名古屋・大阪・福岡などの都市部で5Gの基地局が増えてきているので、都心からの活用開始となります。
2020年現時点では「ピンポイントに5Gを使えるエリアがある」という状態です。屋内から徐々に使えるエリアを増やしていくとのことです。
5G端末(5G対応スマホなど)を持っている場合、対応エリアでは5Gを使用することができますが、それ以外のエリアでは4Gなどに切り替わることになりそうです。
2021年には新規発売されるスマホ端末のほとんどは5G対応となりそうですので、これから気に入った機種を探して検討するのがおすすめです。
5Gの基地局が増えて実際に5Gが使える対応エリアが増えるのは2021年となり、2020年から2~3年の間に使えるエリアが増えるというイメージを持っておくと良さそうです。